クリーンルームの清浄度を保つ仕組みとは?

クリーンルーム内の清浄度を保つためには部屋内の空気を常に微粒子が少ない空間にすることが大切です。

クリーンルームはこれを実現するため、微粒子の少ない空気を部屋内に取り込みルーム内で発生した微粒子は外に排出できる換気の仕組が備わっています。

微粒子の少ない空気を取り込むにはFFU(ファンフィルターユニット)とHEPAフィルターを使用することを前回ご紹介しました。

では、その後どのようにして部屋内の空気を排気しているのでしょうか?

この換気の仕組みは気流の流れによっていくつか種類があるのですが、今回は代表的なものを二つご紹介します。

乱流方式(コンベンショナル方式)

クリーンルーム内の天井や壁面の一部にFFUを設置して、清浄な空気を室内に取り込む構造です。

内部のホコリはルームの一角に設けられたパンチングパネルやダクトなどの吸気口から外へ押し出されることでブース内がクリーン化されます。この流れが繰り返されることで内部の清浄度が上がります。

必要な機器や工事が少ないため、設置費・維持費を抑えることが可能です。

ただし、後述する一方向流方式と比べ、正常な空気の吹き出す部分とそうでない部分があるため、気流が滞留しやすいという特徴があります。クラス1,000〜100,000(ISOクラス6〜8)程度のクリーンルームに適しています。

ダウンフロー方式(垂直一方向流方式)

天井全体にFFU(ファンフィルターユニット)を設置して、床下全面を吸込口とすることで、清浄な空気が天井前面から床面に向かって一方向で流れる構造です。

空気の吹き出し口と吸い込み口がその名の通り垂直になるので空気の流れが平行になり、乱流を防ぎます。室内全域を均等に微粒子の少ない空間に管理することが可能なため、クラス1~100(ISOクラス3~5)など高いクリーン度を要求される場で使用されるケースがあります。

こちらは機器の維持と床の工事などが必要なため設置費・維持費が高くなってしまいます。また、移動や拡張も難しくなっています。

乱流方式とダウンフロー方式、どちらもルームに一部穴が開いている作りなので 外気がそこから侵入するのでは?と思われるかもしれません。 それを防ぐためにルーム内は「陽圧」という部屋内の気圧が部屋外の気圧よりも高い状態になるように作られています。

空気は気圧が高い所から低い所に向かって流れる性質があるため、陽圧になっているクリーンルームもルーム内からルーム外へ空気が流れます。 そのため、隙間から外気が流れ込むことはありません。

クリーンルームを設置する際は保ちたいクリーン度の高さに比例して、要求される設備の機能・コストも共に高くなっていきます。設置場所、作業内容にあったクリーン度はどれくらいか?など、クリーンルームに関するお困り事について、お気軽にご相談ください。

TOP