クリーンルームはゴミが全く発生しない空間のようにイメージされる方も多いと思いますが、実際ルーム外から持ち込んだり、人や製品から発塵することで目に見えないゴミがどうしても発生してしまいます。
目に見えるゴミはそのまま除去するなどの対策がとれますし、空中に漂う目に見えない微粒子はFFU(ファンフィルターユニット)をはじめとするルームの換気機能で外に出すことができます。
しかし、目に見えず部屋に堆積してしまう大きさのゴミ(粗大粒子)は、気流に乗らないため換気機能では取り除くことができず、部屋内に堆積し続けてしまい、製品に付着して不良の原因になる場合もあります。
2024.04.23
パーティクルカウンターでは計測できない?粗大粒子の対策について
クリーンルームの清浄度を評価するためには通常パーティクルカウンターを使用します。この測定値を見ることで、クリーンルームが適切な清浄度に保たれているかどうかが分かります。 ところが肉眼では確認できず、しかもパーティクルカウンターでは測定できない微妙な大きさのゴミが製品の不良を引き起こすことがあ...
ゴミが堆積しないよう気を付けて清掃を行おうとしても、見た目上はゴミがないように見えるので、果たしてきちんと清掃できているのかどうかは作業者もわかりません。
そんなときに役立つのがクリーンルームライトといわれる、クリーンルーム内のゴミを可視化することができる製品です。
クリーンルームライトとは
クリーンルームライトは、クリーンルーム内に存在している通常目では確認できない粒子を可視化するためのツールです。見た目は懐中電灯によく似ているのですが、特徴は大きく異なります。
懐中電灯は広範囲をまんべんなく照らす作りになっていますが、小さなホコリやキズなどを見ようとすると、光は広範囲に散乱しているので鮮明に見ることができません。
クリーンルームライトは範囲が狭い分強い光を直線的に照らせることで、目に見えない小さなゴミでもクッキリと目で確認することができます。カーテンから外の光が一筋だけ差し込んでいるときに家の中のほこりがよく見えるのを想像していただければわかりやすいかな…と思います。
このライトを使ってクリーンルーム内や製品を照らすことで、どれくらいゴミが付着しているのか、ルームのどの部分にゴミが堆積しているのか、を実際に目で確認することができます。
このようにクリーンルームライトなどの可視化できるツールは効果的ですが、そのポイントはゴミが見えること、よりも作業者間で問題点の共有ができるというところにあります。
ゴミをただ可視化するだけでなく、問題点も可視化する
クリーンルームライトを使用する利点は、ゴミが見える…というよりも、ゴミが見えることで作業者間でその問題点も可視化・共有できるところです。
ゴミが見えない状態ではルーム内の清掃をしてもきれいになっているのか確認することはできません。より綺麗に清掃しようと思っても結局どうすればいいのかわからない、そもそも見た目は綺麗に見えているのでゴミが出ていること自体、自覚するのが難しいのではないでしょうか。クリーンルームライトでゴミを実際に目で見て作業者間で問題を確認することで、どこを重点的に清掃すればいいかなどの対策が取りやすくなります。
E-Room+ではお客様それぞれの内容や状況を専門のスタッフがヒアリングした後、お見積もりのご提示を致します。お困り事や条件に合わせたフルオーダーメイドの簡易クリーンルームをご提案することができますので、お気軽にご相談ください。